高いかぶせ物を残す「歯根端(しこんたん)切除術」

しこんたん・・・って何ですか??

そうですよね、まず単語が分からないですよね。
歯の根っこの端っこが「歯根端」。
それを切り除くが「切除」、その術式なので「術」。
「全部乗せ」で「歯根端切除術」です。(笑)

健先生

ラーメン食べたくなってきました。(笑)実際にどういうことをするんですか?

僕もラーメン大好きですよ。(詳しくはインタビューで
歯ぐきをめくって、歯の根っこを横から攻めて治療する感じです。
歯の根っこの治療がうまくいかなかった、自費の高いかぶせ物をいじりたくなく場合に行います。

健先生

めくるって、ちょっとおっかないですが・・・そんな裏技みたいな治療方法があるということ自体を知らないのですが。

歯科医師の国家試験に出てきます。
でも、歯科医師がみな出来るかといったら、口腔外科の先生でないと出来ないですね。
とにかく分かりづらい話なので、歯の根の治療で苦労しているという方は一度直接お話ししましょう。

健先生

歯根端切除術(しこんたんせつじょじゅつ)とは?

歯の根の治療(根管治療:こんかんちりょう)を行った数年後に歯の根の先が細菌感染して、膿(根尖病巣:こんせんびょうそう)が溜まってしまうことがあります。
歯の根の形状は、人それぞれ違う&複雑な形をしている&細い(先端部分で平均0.25ミリ程度)ため、歯の根の治療でバイキンが取り切れない、消毒が行き届かないなど膿が溜まってしまうのです。
そのような場合、「歯根端切除術」で対応することがあります。
一般的には前の歯で行いますが、条件が整えば奥歯で出来ます。

歯根端切除術の流れ

1. 画像診断により治療方針を立案

レントゲンやCT検査などを元に診査診断を行い、治療方針を相談・決定します。
根尖病巣(こんせんびょうそう:歯の根の先にたまった膿)と、鼻腔(びくう:鼻の内部)・上顎洞(じょうがくどう:頬の下、上記左図参照)・下顎管(かがくかん:上記右図参照)などの周囲組織との距離を把握、「3次元」に診査診断します。
治療の難易度や侵襲(しんしゅう)の程度を、患者さんにお伝えしてお考え頂き、納得してから治療をします。

2. 血圧測定・術前抗菌薬内服

3. 表面麻酔後、局所麻酔

4. 歯根端切除術

5. 止血確認・治療後の注意事項説明

教えて先生!歯根端切除術Q&A

Q. 手術は痛いですか?

A. しっかり麻酔をしてから手術を行うため、痛みがある状態で治療が行われる心配はありません。
当院院長は、日本麻酔科学会認定医です。

Q. どれくらい時間が掛かります?

A. 骨や歯の根っこを削るのは数分で済みますが、手術時間は1か所30分前後が目安です。

Q. 完治しますか?

A. 治療のゴール(目標)は、噛んだ時に痛みが無くなる事です。
細菌感染のため、数年後に再発するケースもあります。
詳細は治療前に説明します。
治療後は、定期的に経過観察をして、必要であればレントゲンを撮ります。

Q. 保険で出来ますか?

A. 基本的には、全て保険で治療が可能です。