【集中力や学力にも影響?】3人に1人が悩む「お口ポカン」の原因

ドクターみきが解説!『うちの子、あてはまる…』と思ったら読んでほしい、お口ポカン改善ステップ

目次

「あ、うちの子、あてはまる・・・」こんなことありませんか?

☑お口ポカン(口呼吸)
☑丸飲みしちゃう
☑あまり噛まないで食べちゃう
☑食べるのが遅い
☑噛み方がおかしい
☑うまく飲み込めない
☑食事中に食べこぼす
☑クチャクチャ食べが気になる
☑むせる
☑飲み込むときに舌が前に出る
☑口を開けて寝ている
☑いびき
☑発音が不明瞭
☑アレルギー(アレルギー性鼻炎)
☑姿勢が悪い
☑集中力が続かない
☑指しゃぶりがやめられない
☑唇の癖がある(下唇を噛む、上唇を巻き込む、舌を前に出す「舌突出癖:ぜつとっしゅつへき 」)

上の内容に、「歯」の字がないのに歯医者さんで相談出来るんですね!
しかも「すぐ病院に連れて行かなきゃ!」という状態ではなく、「日々ジワジワ気になっている事」というか・・・。

アレルギー性鼻炎(花粉症含む)の子で、鼻がズビズビいってる子が最近、結構いるんです。
治療のときにお口に水が溜まるので「鼻で呼吸できる?」と聞くんです。
鼻が詰まっていれば「口呼吸」になり、「お口ポカン」につながります。

三紀先生

そうですよね、鼻が詰まっていたら口で息をするしかない。

「アレルギー性鼻炎→口呼吸→お口ポカン」はつながっているんですよ。

三紀先生

もれなくセット?

もれなくセットです。
鼻が詰まっているので「風邪?」と聞くと「アレルギーで」という子が多いと感じます。
近年の傾向として、虫歯は減っているけど、お口ポカンが増えています。
3歳で2割、12歳では4割の子、つまり3割のお子さんがお口ポカンというデータ(※1)があります。
小児歯科では、お口ポカンは「口腔機能発達不全症(こうくうきのうはったつふぜんしょう:18歳未満の子供で、食べる・飲み込む・話す・呼吸するなどの口腔機能が十分に発達していない状況 )」を疑う重要なサインの一つとされてます。

三紀先生

「うちの子、ほんとにお口ポカンで・・・
ご飯は噛まないで丸飲みだし」

そんな病名がついているんですね。(汗)そもそも「お口ポカン」がよくないことは、知られているのでしょうか?ママ友の間で、話題になりますか?

出典:https://www.lotte.co.jp/info/pdf/20220317143643.pdf

ママ友の間では、話題になったことはないですね。
実は、当院に通院しているA君のお母さんに「うちの子、ほんとにお口ポカンで・・・ご飯は噛まないで丸飲みだし」と相談されました。

三紀先生

  • 年齢:5歳
  • 主訴:虫歯のチェック・クリーニング・お口ポカン

「お口ポカン」でということだったので、「花粉症はありますか?」と聞いたら、「花粉症で口を開けて呼吸しています」と。

三紀先生

先ほどのチェックリストで気になることがあるなら、検査してもいいのかなと思いますよね。(お口ポカンの検査は、松戸のキッズは200円で検査できます)

A君のお母さんも「ポカーンと口を開けてテレビ見てる」と話していました。
慢性的に鼻が詰まっている場合は、まず耳鼻科に行ってもらう・・・鼻が通らないと口が閉じられないので。
鼻が通れば、口は閉じられるので「唇のトレーニング」が出来ます。

三紀先生

耳鼻科では何を?

鼻が通るように治療してもらいます。
鼻が詰まっていて、口で息をすることが習慣になっていると、舌(した:ベロのこと)が本来ある位置よりも下がってしまいます。
舌が下がっていることを「低舌位(ていぜつい)」といいます。
本来は、上アゴに舌がくっついて、舌が上アゴを広げているんですね。

三紀先生

舌が上アゴを広げる?!

本来「舌の安静位」は「上の前歯の裏側」で、舌の先がちょこんとついている。
舌の先が前歯の裏側にくっついて、舌全体で上アゴを押し広げている。
舌が「天然の上アゴ拡大装置」なんです。

舌が上アゴについていないと
・・・・・・・・・・
舌が下がる

上アゴが広がらない

永久歯に生え変わり時、狭くて歯が並びきらない

「V字型の歯列弓(しれつきゅう:歯並びを真上から見た時のカーブの形、下記画像参照)」になる
・・・・・・・・・・

となってしまいます。

三紀先生

  • V字型(狭窄歯列:狭いアーチで出っ歯・口呼吸になりやすい/横顔の口元が出て見える)
  • U字型(理想的な形:安定した噛み合わせ/横顔が整い審美的)

低舌位だと、舌の力で上アゴが拡大しないので、どんどん歯並びが悪くなります。
なので「トレーニング」をする必要があります。

三紀先生

トレーニング?

唇の周りの筋肉のトレーニング、舌の使い方のトレーニングで改善します。

三紀先生

【例】

口の周りの筋肉なんて、意識したことありませんでした。
舌も確かに筋肉の塊ですよね。

唇の周りの筋肉のトレーニング、舌の使い方のトレーニングで改善を目指します。
子どもの変化のスピードには、驚くものがあります。
場合によって、マウスピースを使った筋機能の調整、歯の矯正などが必要になる事もありますが、まずはファーストステップとして「トレーニング」です。

三紀先生

アデノイド顔貌って何?

先ほどのA君は、早く気が付いて本当によかったと思います。
お母さんから言ってきてくれたところも、ポイントが高いです。
最近、幼稚園の歯科検診で『口腔機能発達不全症の傾向がある』ので歯科受診を勧められた」というケースもありました。
そのままいったら後々歯並びも悪くなってくるだろうし、「アデノイド顔貌(がんぼう)」になる可能性もあります。

三紀先生

アデノイド顔貌???

アゴが小さくてひっこんで、太っていないのに二重アゴになって、アゴと首の境が分からない、歯並びも出っ歯が特徴です。
芸能人だと、アンガールズの山根さんが、口元だけが前に出ている、上アゴに比べて下アゴが下がる、前歯だけが出っ張る。

三紀先生

確かに・・・知識がないことで治療のタイミングを逃すくらいなら、「あ、そういえば、先生からこんな話聞いたことあった!」と頭に残ればいいですよね。

舌の位置の正解は、上?下?

「舌の位置」の正解は、上アゴです。
舌が歯の間から見えている子もいますが、あれもNGです。

三紀先生

【NG】舌が下アゴの内側にあって、沈んでいる/舌が前に突き出している

いる!歯と歯の間に舌がある子!

歯と歯の間に舌がある=舌の位置が低いから=口の締まりが悪く、食べこぼす、飲み込みがうまくできないんです。

三紀先生

なんで子どもなのに食べこぼすの?と思っていました。
口が開いていたら、確かにこぼれますよね。

舌の使い方もうまくなく、食べ物もまとまらないからクチャクチャ食べる。
(舌は、噛んだ食べ物をまとめて「食塊(しょくかい)」にする役割があります)
トレーニングは、鼻呼吸ができることが大前提なので、医科との連携が必要です。
当院が連携している「千葉西病院」にも耳鼻科があります。
(千葉西の口腔外科には、知り合いの先生がいます)
本来、「舌は上アゴにくっついている」んです。

三紀先生

(舌を上アゴに着けてみる)確かに舌が上アゴについていたら、口で息が出来ないですよね。
舌がどこにあるかなんて、意識したことありませんでした。(汗)

先ほどの「V字型歯列弓(しれつきゅう)」は、歯並びのアーチが狭いのです。
「狭窄歯列(きょうさくしれつ)」といいますが、上アゴの歯列弓が狭くなると、「気道」も狭くなります。
気道が狭くなると、取り込める酸素の量が減り、睡眠の質も落ちる可能性があります。

三紀先生

我が子がしっかり眠れていないと思うと、心配です

「寝る子は育つ」と言いますから、アゴが狭いことで我が子がしっかり眠れていないと思うと、心配です。

昔に比べると、アレルギー性鼻炎の子が増えているというデータがあります。(※2)
それにプラス、成長期の「6、7、8歳」は「アデノイド(ノドの上&鼻の奥にあるリンパ組織のかたまり:咽頭扁桃:いんとうへんとう)」が生理的に肥大するんです。
アデノイドが肥大すると、呼吸しづらくなります。

三紀先生

アデノイド肥大は、2~6歳で大きくなり8歳くらいがピークで、10歳前後に小さくなって12歳くらいになってくると戻って落ち着くんです。
その時の癖で「口呼吸」が残ってしまう子もいるんですよ。

三紀先生

扁桃腺肥大(へんとうせんひだい)は聞いた事がありますが、それと一緒ですか?

違います、扁桃(へんとう)は、種類がいつもあります。

・咽頭扁桃(いんとうへんとう)
・耳管扁桃(じかんへんとう)
・口蓋扁桃(こうがいへんとう:これが俗にいう扁桃腺ですが、正確には分泌腺がないので「腺」はつかない)
・舌扁桃(ぜつへんとう)

そのうちの「咽頭扁桃(いんとうへんとう)」が「アデノイド」と呼ばれています。

三紀先生

そうなんですね!
鼻が通れば、口から息をしなくてよくなる!

口で呼吸をしていれば、風邪もひきやすいし、口が乾いて自浄作用が落ちるので虫歯も出来やすい。
鼻で息をすることで、加温、加湿、ほこりやバイキンをからめとる、さらに鼻の奥のすぐ上には脳があるので、脳を冷やすラジエーターにもなるんですよ。

三紀先生

おお!
一石三鳥+αの機能があるのに、鼻呼吸をしないのはもったいないですよね。

出典:https://www.kenkodojo.com/column/knowledge/detail185/

「もっと早くからトレーニングしておけばよかった」とならないように、まず気になることがあったらほんとに気軽に相談してほしいです。

三紀先生

歯科医師ドクターみきの「お口ポカン」まとめノート

【口腔機能発達不全症とは?】

  • 18歳未満の子供で、食べる・飲み込む・話す・呼吸するなどの口腔機能が十分に発達していない状況
  • 2018年から保険適応になっています。
  • サインとして「猫背などの姿勢の悪さ」もある

参考サイト

【原因】口腔機能発達不全症

一つだけでなく、複数の要因が関係します。

  • 柔らかい食事中心の生活
  • 口呼吸(鼻づまり・鼻腔トラブル・鼻炎・アレルギー・鼻中隔湾曲症・副鼻腔炎)
  • 舌や唇の筋力不足
  • 歯並び・噛み合わせ
  • 舌小帯短縮症
  • 指しゃぶり・爪かみ・唇をかむ・おしゃぶりの長期使用など

柔らかい食事+お口ポカン(口呼吸)=「食べる・飲み込む・発音」にまとめて影響することも

【放置すると・・・】

  • 虫歯や歯周病のリスク増大(口の中が乾燥)
  • 歯並び・噛み合わせ・顔やアゴの成長に悪影響
  • 舌の位置が低くなる(低舌位:ていぜつい)
  • 発音に影響
  • 嚥下(えんげ:飲み込み)に影響

などが起きることがあります。

出典:https://we.kinkosonline.jp/html/shofu1922/7661801/#2

【「お口ポカン」は、ただ口が開いているだけではない】

お口ポカン(口唇閉鎖不全:こうしんへいさふぜん)は、ただ口が開いているだけではないのです。

  • 唇の筋力(口輪筋:こうりんきん)低下
  • 舌の機能不全
  • 口呼吸
  • 異常嚥下癖
  • 歯並びや顎の発育不全

【検査して、診断します】

口腔機能発達不全症の診断は、下記項目を総合的に判断、評価していきます。

  • 安静時の口唇閉鎖状態
  • 口唇の筋力→りっぷるくん(下記画像参照)
  • 口呼吸の有無
  • 舌圧(ぜつあつ)→舌圧測定器(下記画像参照)
  • 姿勢
  • 咀嚼(そしゃく)機能
  • 嚥下機能
  • 発音
舌圧測定器

【治療の流れ】

検査診断

治療の計画・立案

説明

指導・トレーニング(訓練)

評価

【対応】

当院では、下記の内容を個別に対応していきます。

①舌や唇のトレーニング

②食べ方・飲み方の指導

③姿勢の指導

④口呼吸の改善(必要に応じて医科との連携)

⑤口腔筋機能療法(こうくうきんきのうりょうほう MFT:Myofunctional Therapy)
舌・唇・口周り・頬の筋肉のバランスを整え、正しい機能を獲得するためのトレーニング)

⑥成長を利用した機能的矯正装置(例:マイオブレース:プレオルソ)
子供の成長期に使用することで、永久歯が並ぶための顎の骨の成長を促しつつ歯並びを悪くする「悪癖(口呼吸、舌習慣など)」をなくすことを目的とした治療。
歯を移動させるわけではありませんが、歯並びが悪くなる根本的な原因の改善が期待できます。
(3~12歳くらい)

●先生ひとこと

トレーニングは歯を移動させるわけではないですが、顎骨(がっこつ:アゴの骨)の成長を促せるので、永久歯の歯並びを正しい位置にコントロールしやすくなります。

●治療の道具の一例:マイオブレース(機能的マウスピース型矯正装置)

子どもの成長期に使用することで、アゴの骨のバランスを整え、歯並びを悪くする「悪癖」をなくすことを目的とした治療。
根本原因の改善、筋機能の矯正、口呼吸、舌習癖の改善が期待されます。

⑦矯正治療(必要に応じて)
骨格的な要因がある場合、セルフケアだけでは改善が難しいため、矯正歯科での専門的なアプローチが必要になります。

【低舌位が続くと・・・】

①上顎の成長不足

狭窄歯列弓(きょうさくしれつきゅう):上あごが狭くなる
「V字歯列」になりやすい

⇒A歯列不正(叢生・八重歯・クロスバイト)
 B飲み込むときに舌を前に押す出す場合(舌突出癖)⇒上顎前突(出っ歯)・開咬(前歯がかみ合わない)

⇒気道が狭くなる

●ドクターみきの「ココがポイント」

舌は内側から上顎を広げる役割がある。
舌が低い位置にあることで、上顎の成長が十分でなくなり歯並びが悪くなるため、将来的に矯正が必要となる可能性がある

②咀嚼・嚥下機能(そしゃくえんげきのう:噛む・飲み込む)の未熟化

舌が十分に動かないため

  • 食事の時間が掛かる
  • クチャクチャ食べる
  • 食べ物をまとめにくい/丸飲み
  • 飲み込むのが不安定

③構音(こうおん:発音)障害

特に舌を使う「さ・た・ら行」が舌っ足らずな話し方になる

④口呼吸の固定化(お口ポカーン)

低舌位だと、口が閉じにくくなる

  • 口唇閉鎖不全(こうしんへいさふぜん:お口ポカン)
  • 口呼吸が慢性化すると


虫歯・歯周炎・歯周病のリスク大

  • 睡眠の質の低下(低舌位による気道の狭窄の影響で)
  • いびき
  • 睡眠時無呼吸
  • 慢性的な疲労などが起こりやすい

その結果・・・

  • 集中力低下
  • 注意力低下
  • 学習効率の低下
  • 日中の眠気
  • 落ち着かない性格

特に成長期の子供では、低舌位による気道の狭窄が、睡眠障害を引き起こすこともある

⑤顔貌(がんぼう)への影響

慢性的な「口呼吸」と「低舌位」が続くと「アデノイド顔貌」に近づくことがある。

  • 下顎が引っ込んでいる
  • 口元だけ出ている(出っ歯)
  • 太っていないのに二重アゴ
  • 顎と首の境目が分からない
  • 顔が長い(下顔面が長い)

メッセージ「お口ポカンは、呼吸・睡眠・顎と顔の発育に関わる重要なサイン」

特に「成長期の低舌位(お口ポカン)」は、単なる舌の位置の問題ではなく、呼吸・睡眠・顎と顔の発育に関わる重要なサインとして考えられています。

アゴの成長を利用すれば、アゴを広げるられるので早期発見、早期改善が何より重要です!

三紀先生

教えて!ドクターみきの
「口腔機能発達不全症(お口ポカン) Q&A」

Q.「出っ歯」は、口腔機能発達不全症と関係がありますか?

A. ある可能性が高いです。
出っ歯(上顎前突:じょうがくぜんとつ)は、お子様はお口が閉じにくいことがあり「お口の機能面」や「見た目」の改善のために矯正治療をご提案することがあります。

Q. 歯の矯正をすれば、よくなりますか?

A. 歯並びの悪さの「原因」によります。
「アゴが小さい、歯が大きい」などの単なる骨格的な問題なら矯正でよくなりますが、「舌や唇の癖(くせ)」が原因で歯並びが悪い子は、「癖を取り除く訓練」をしないと矯正をしてもまた歯並びが悪くなります。

「アレルギー性鼻炎」がある場合は、鼻で呼吸ができるようにするために耳鼻科もセットで治療が必要になる場合もあります。

Q. 自分の子が該当するかどうか、診てもらうのにいくらかかりますか?

A. 口腔機能発達不全症は、2018年から保険での検査・治療が可能になっています。
松戸市のお子さんは200円で検査が出来ますので、まずはお気軽にご相談ください。

参考資料

参考1(※1)

https://www.asahi-u.ac.jp/wp-content/uploads/2023/08/230904-1.pdf

子どもの“お口ぽかん”に対するお口の体操の効果を明らかに
お口の体操で唇を閉じる力が強くなり、口元の形が改善します

朝日大学 歯学部 口腔構造機能発育学講座 小児歯科学分野
教授 齊藤 一誠(さいとう いっせい)
鹿児島大学病院 小児歯科
講師 稲田 絵美(いなだ えみ)

子どものお口ぽかん(口唇閉鎖不全)は日常的に唇が開いた状態になってしまうため、お口の乾燥によりむし歯や歯肉の炎症を引き起こし、口腔内環境を悪化させます。
また、唇を閉じる力(口唇閉鎖力)が弱いため、歯を取り囲んでいる唇・頬と舌の力のバランスが崩れてしまい、上の前歯が出っ歯(上顎前歯の唇側傾斜)になったり、上顎の横幅が狭く(上顎歯列弓の狭窄)なったりすることで歯並びが悪くなることが少なくありません。
さらに、アレルギー疾患を誘発する、姿勢が悪くなる、集中力が低下する等の弊害も報告されています。
日本人の子どもたちを対象として、お口ぽかんの有病率を調べた我々の過去の研究では、3歳から 12 歳までの子どもの 30.7%がお口ぽかんの状態であること、その有病率は年齢とともに増加すること、さらに、自然に改善することが期待しにくい習癖であることが明らかとなりました。
このことから、お口ぽかんは積極的に対応するべき歯科疾患であると言えます。
お口ぽかんに対しては、鼻づまりや極端な歯並びの異常がある場合を除き、口唇閉鎖力を強くさせるための体操を優先して行います。
しかしながら、子どもに対する体操の効果やその有効性については明確にされていないのが現状でした。
そのため、本研究では未就学児に対し「あいうべ体操」(図1)を実施し、効果について検証しました。

3.今後の展望

これまで歯科領域では、むし歯治療のような疾患の修復に重点が置かれていました。
しかし近年は、「食べる」、「話す」、「呼吸する」といった口腔機能を獲得・維持・回復することが重要視されるようになりました。
これに伴い、平成 30 年 4 月からは、ライフステージに応じた口腔機能管理の推進のため、口腔機能の発達不全を認める子どもの口腔機能の評価や治療、管理について健康保険が適用されるようになりました。

子どもの時期の口腔機能は常に発達・獲得の過程にあります。
将来起こり得る問題を未然に防ぐためにも、口腔機能の発達不全に対する積極的な訓練を含む治療や体操が必要です。
お口の体操には様々な方法がありますが、子どもや子どもを取り巻く環境に適したものを取り入れながら継続することが重要です。
今後も子どもの口腔機能に関する病態解析や治療・訓練効果の検証を進めることで、子どもの健やかな成長発育を支援していきたいと考えています。

参考2(※2)

https://www.kagoshima-u.ac.jp/about/20210217news.pdf

子どもの“お口ぽかん”の有病率を明らかに− 全国疫学調査からみえた現代の新たな疾病 −

新潟大学
大垣女子短期大学
鹿児島大学

「唇にしまりがない」、「鼻がつまる」、「音を立てて食べる」など、12の質問項 目がお口ぽかんと関連していました。
日本人の⼦どもたちの 30.7%がお口ぽかんを示し(図1)、またお口ぽかんの有病率は年齢とともに増加していました(図 2)。
また、⼦どものお口ぽかんの割合に地域差はありませんでした(図3)。
44 の質問項目のうち12 の項目がお口ぽかんと関連してい ました(図4)。
これらの項目 には、顎顔⾯の形態や位置だけでなく、口呼吸やアレルギー性鼻炎などが関連していることが示唆されました。

参考3

https://www.lotte.co.jp/info/pdf/20220317143643.pdf

むし歯・歯周病・口臭や学習能力の低下につながる可能性がある「お口ぽかん」について調査親の70%以上が、「お口ぽかん」が「口唇閉鎖不全症」の可能性があることを知らないと回答

株式会社ロッテ

70%以上が、「お口ぽかん」が慢性的に続くことが「口唇閉鎖不全症」という病気の可能性があることを知らず、年代があがるごとにその傾向は顕著に

  • 67.9%の人が自身の子どもの「お口ぽかん」の予防・対策に取り組みたいと考えているが、45.8%が予防・改善策を知らないことが明らかに
  • 「お口ぽかん」の予防・対策について、「自宅で取り組める」「経済的」「子どもが飽きずに取り組める」など手軽さや続けやすさを重視する傾向も
  • 「お口ぽかん」に伴う全身のリスクとして最も関心が高いものは「むし歯や歯周病、口臭の原因になる」であり、次いで「集中力や、学習能力の低下につながる」であった

参考4

鼻呼吸?口呼吸?日常的に酸素を十分に取り入れる方法

大塚製薬株式会社

https://www.otsuka.co.jp/oxygen-lab/column/nose-mouth.html

参考5 (※A)

アレルギー性鼻炎・花粉症/厚生労働省

https://www.mhlw.go.jp/new-info/kobetu/kenkou/ryumachi/dl/jouhou01-09.pdf

参考6

専門医のためのアレルギー学講座 アレルギー性鼻炎 1.ガイドライン

https://www.jstage.jst.go.jp/article/arerugi/72/5/72_417/_pdf/-char/ja